2018年1月5日金曜日
Uターン9年目に5つの勘違いを振り返る
1つ目の勘違い「頻繁に仲間と会える」
そんなことはありませんでした。物理的な距離は近くなっていても自由になる時間が劇的に変わる訳ではないので当たり前と言えば当たり前でしょうか。
逆を言えば"会いたくない人”とも必要以上に会わずに済みます。
参考:田舎のおっさんに泣いてキレた話
2つ目の勘違い「車はマスト」
僕は通勤が新潟駅周辺という事と、ロードバイクという飛び道具を手に入れたことで6年間は車を持たずに生活をしていました。
いざという時はタクシーのお世話になったり、周囲の暖かい人たちのご厚意もあり全く不便を感じませんでした。
現在は結婚を機に車を購入しましたが年間3000キロ程度のライトドライバーです。
参考:今は生活必需品の「クルマ」を捨ててこそ地方が蘇るワケ
3つ目の勘違い「収入が下がる」
確かに年収ベースでは200万円近くダウンしましたが、実家にいたため固定費が7割程度圧縮され、娯楽についてもロードバイクや登山、マラソンなどの地方満喫型のアクテビティにシフトしたのでほとんどコストがかからなくなり結果的に都内在住時と変わらない貯蓄水準をキープできました。
また総年収はダウンしましたが労働時間も年間で1000時間程度少なくなりましたので時間単価で考えれば収入は上がったと言えます。
4つ目の勘違い「経験を活かせる仕事がない」
例えば「Rubyプログラマー」や「ワインソムリエ」に限定してしまうとヒットする求人など皆無に等しいでしょう。
僕も都内ではシステムエンジニアやWebデザイナーなどに対して派遣先や転職先を斡旋する人材営業をやっていましたがUターン後は学校法人向けの教材営業へとキャリアチェンジをしました。
そこでは都内で培った「人材のスキルを定性的、定量的に判定してお客様に提案し、三方良しの状態を構築してきた」経験は存分に活かされていました。
「Ruby」や「ワイン」などピンポイントの経験は将来的に頭打ちになるリスクがありますが、地方では本人が望まなくともフルスタック化せざるを得ませんのでキャリアにとって好都合だと思うのですがいかがでしょうか。「サービス」をどう捉えるかでしょう。
参考:Uターン就職、地方で必要とされる東京での経験とは?
5つ目の勘違い「子供に高度な教育ができない」
「学力」という指標で見た場合、東京と地元では絶望的な教育格差があります。東大合格者数だけ見ても地元の新潟県はわずか9名と全国でも最低水準なので少なくとも「学力」を育てる環境にないことは明らかです。
しかしながら僕の娘が成人する2030年代にはAIの台頭によって学力至上主義はとっくに終焉を迎えています。
これから必要とされる能力は "Think locally, act regionally, leverage globally."(その土地で考え、地域に合わせたアクションを起こし、地球規模の仕組みを活用する)を実行できる能力であり、幼少の頃から多様性の中でリーダーシップを発揮し支持される経験が肝になると思います。
本人の能力や家庭の経済状況など東京の学校では画一的になりがちですが、地元では小学校も中学校も一択なのでバラエティに富んだ同級生と9年間を過ごすことになります。
ここで易きに流れず、奢らず、経験を積むことは都内より地方の方がかえって好都合と言えます。
参考1:東大合格者数高校別ランキング2017を見て
参考2:島根県の離島・中山間地域の高校に、全国から年間約200人が入学する理由。「教育魅力化」に取り組むコーディネーターたちが実践する、地域へ、世界へ向けた学校の開きかた
以上、都内で8年間暮らした後に地元での生活が9年目に差し掛かる人間の実感でした。
本年もよろしくお願いいたします。